造園作庭例
茶庭
私の師事する 裏千家 神尾宗悦先生の茶庭です。
土地の都合上、四畳半前の一画に集約されましたが良い庭になりました。
人物が写っているのは、茶道誌淡交ムックの取材撮影風景です。
土庇から1mだけの茶庭です。植物は全部雨落ち線の外側に植わっています。
深草土間の外側線に出入りをつけて、露地を広く感じるようにし、柱のところで丹波石延段で通路をふくらませました。
躙石の脇の黒いのは、棕櫚縄の糸巻き垣根です。茶室専用ではないので沓脱石は大振りにしました。
渓谷に面した素晴らしいたたずまいの茶庭です。腰掛待合のついた本格的なものです。
腰掛待合前の霰こぼしの飛石 写真でよく見えないですね。上手く出来たと思うのですが…
樹木がもう少し茂ると良くなります。3年位で落ち着くでしょう。
少々工夫をすれば、かなり狭小な面積で実用の茶庭を造ることができます。
茶庭とは、茶室に付随し御茶事ができる設備のある庭のことです。
本来 お施主様自身の遊びとして、造園屋を指図して下さるものなのですが、なかなかそうも行きません。
設備といっても、流派もあり、茶事の種類とかによって必要なものの内容が違います。
使う材料が自然物でもあり、各々感性も違います。寸法、向き、知識等々多くの問題があります。
「和風の庭がほしいので飾りに茶庭を…。」という場合は別として、御施主様の師事する師匠に指導を受けていただくのが一番良いと思います。
(当社は通常必要な知識、技術は持っているつもりです。)